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下肢静脈瘤とは?
足の血管がぼこぼこする病気です。正常な静脈は、血液を心臓に戻す役割をしており、足から心臓に向かって流れます。そして、足の方に血液が戻ってしまうのを防ぐために弁が備わっています。下肢静脈瘤は、この弁が壊れることで足に血液が逆流してしまい、足に血液がたまることにより、足のだるさやこむら返り、血管がふくれてこぶのようになる病気です。
どんな人が下肢静脈瘤になりやすいの?
40歳以上の8.6%にこの下肢静脈瘤はあるといわれいます。高齢の患者さんの方が多いとされています。男性に比べて女性が3倍程多いと報告されています。立ち仕事の多い職業(クリーニング業、美容師、理容師、調理師、飲食業など)の方に多く発症することが報告されています。また妊娠・出産を経験された女性に多く発症することが報告されています。遺伝も報告されていて、両親ともに静脈瘤がある場合には、90%に子が発症するといわれいます。親1人に静脈瘤がある場合は、娘さんは60%に静脈瘤が発症することが報告されています。
どんな症状があるの?
まずは、見た目からですが、足の血管がぼこぼこします。 症状として一番多いのは、足のだるさです。ずっと立っていたりすると、足がだるくなります。その他、こむらがえり、下肢のむくみ、痒みがでます。ひどくなってくると、色素沈着といって、足首の少し上が赤茶色になったりします。さらに病気が進行すると、潰瘍といて足の皮膚に傷ができて治りにくくなったりします。また下肢静脈瘤があると、足の静脈に血栓ができやすい(正常の方と比較して3倍のリスク)ので、足の痛みや熱感、腫れがでたときには要注意です。
どんな検査で調べるのですか?
下肢静脈瘤の検査では、超音波検査(エコー検査)が中心になります。足にエコーをあてて、血管を調べます。正式名称は下肢静脈超音波検査です。この検査で、足の表在の静脈が拡張していたり、逆流している場合には、下肢静脈瘤と診断します。
下肢静脈瘤と診断されました。いい薬はありますか?
下肢静脈瘤自体を治すような飲み薬の治療法はありません。下肢の症状(むくみ、こむらがえり、痛み、かゆみ)を改善させる内服薬や塗布剤(塗り薬)はありますが、静脈瘤自体を治すわけではなく、症状の改善が目的で、根本的な治療薬はありません。
ではどうやって治療するのですか?
まずは、弾性ストッキング(足を圧迫するための医療用ストッキング)を用いることで症状の改善をおこないます。足を締めつけて、ふくらはぎの筋ポンプ作用によって静脈還流をうながし、足に血液がたまるのを防ぎます。このストッキングを日中活動時にはくことで症状の改善を促します。それでも症状がのこる場合には、侵襲的な治療になります。基本的に、治療のコンセプトは、壊れた静脈を使わないようにすることです。大切な血管はもっと足の内側にありますので大丈夫ですから、壊れた不要な静脈瘤の血管をどうにか使えないようにします。最近では、2種類あります。ひとつめは、血管内焼灼術です。細い管(カテーテル)を病気になった静脈の中に入れて、内側から熱を加えて焼きます。焼いた静脈は、血流がなくなり、治療後半年ぐらいで吸収されてなくなります。高周波電流などを使って焼きます。
カテーテルを静脈内に挿入。
血管内(静脈瘤内)を超音波(エコー)で確認しながら、焼きます。
高周波焼灼治療器
もうひとつは、血管内塞栓術です。これは、細い管を病気になった静脈の中に入れて、そこから接着剤ををいれます。これで、病気になった静脈を閉塞させます。これは、痛みの少ない治療になります。この2つの治療法は再発が5%未満と効果は高い治療法になっています。その他、静脈瘤が軽い場合ですと、硬化療法といってこわれた静脈に薬(ポリドカスクレロール)を注射して固める方法もあります。このような侵襲的な治療は、患者さんの病気の具合によって最適な方法を相談の上、決定します。
以上、足の血管がぼこぼこしている!場合は是非ご相談ください。
当院では、下肢静脈瘤の診断治療はもちろん、足の悩みに対して幅広く対応できます。
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まず心不全の患者さんと癌の患者さんはどちらが多いでしょうか?
心不全の患者さんは現在120万人おられ、癌の患者さんが100万人ですから、心不全の患者さんが多いかがわかります。また今後心不全患者さんは増加することが推測さ
れており、世に言う心不全パンデミックといわれています。ですので、心不全を予防することが非常に大切になっています。
では心不全ってどのような病気ですか?
まず心臓は、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。1分間におよそ70回、1日に約10万回、収縮と拡張を繰り返しています。心不全とは、心臓に何らかの異
常があり、心臓のポンプ機能が低下して、全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態をいいます。心臓のさまざまな病気(心筋梗塞、弁膜症、心筋
症)や高血圧などにより心臓に負担がかかり、心臓は弱ることにより起こる病気です。
心不全の症状ってどのような症状がでますか?
心不全になると、心臓から十分な血液を送り出せなくなるため、血液のめぐりが悪くなり酸素や栄養が行きわたらなくなったり、からだに水分や老廃物がたまったりし
ます。その症状としては、息切れ、むくみ、体重増加、呼吸困難があります。まず息切れですが、ちょっと動くだけで息が切れる、すぐ疲れるとか、同年代の人と歩い
ても先にしんどくなるといったものです。次に、むくみ(浮腫)です。これは水分が体内にたまり、足やすねがむくんできます。体重増加についても、水分が体内にた
まり、体重が1週間で2 kg 以上増加することがあったりします。最後に呼吸困難です。処置しきれない血液中の水分が肺にたまり、呼吸が苦しくなったり、仰向けに寝
ると息苦しいなどの症状がでます。
心不全の原因について教えてください
心臓に負担がかかる病気が心不全の原因になります。
① 心筋梗塞、狭心症 心臓を動かすための血管、冠動脈は狭くなったり詰まる病気です。心臓の筋肉に血液がいかなくなり、心臓が弱ります。
② 高血圧 血圧が高くなることで、血管の抵抗値が高くなり、心臓から血管に血液を送り出すのに、過剰な力が必要になり、結果心臓が弱ります。
③ 不整脈 心房細動など、脈が乱れることにより、心臓のポンプの効率が悪くなり、心臓に負担がかかります。
④ 弁膜症 心臓の中で、開いたり閉じたりする弁がうまく働かなくなり、例えば弁がうまく閉じなくなると、血液が逆流したりして心臓に負担がかかる。
心不全ってどのような経過をたどるのですか?
高血圧、糖尿病や慢性腎臓病などの心臓の病気がない時期があり、この病気のコントロールが不十分ですと、その後、狭心症や心筋梗塞、弁膜症などの心臓の病気がで
てきます。ただ症状のない時には、元気に過ごせます。しかし、心不全を発症し、息切れや動悸の症状がでてくると、身体機能の低下を認めるようになります。そし
て、心不全の増悪、軽快を繰り返すと、筋力の低下や心肺機能の低下を認め、自立した生活ができなくなり、介護が必要な状態に陥る可能性があります。
逆に言えば、高血圧や糖尿病をしっかり治療を行っていれば、心不全は予防できる可能性が高くなるということです。
2025年循環器学会心不全ガイドライン
心不全の予防はどうしたらいいですか?
まずひとつは、心臓病の予防を行うことです。それは肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧といった心臓病のリスクになる疾患に対して、運動をしたり、体重減量、禁
煙、減塩、節酒などのよい生活習慣を身に着けることが重要です。たとえ、心臓病になったとしても、その心臓病に対して、きちんと治療を行い、よい生活習慣を継続
し、お薬の治療も継続することが心不全の予防になります。
私たちが心不全の見つけるコツはありますか?
心不全は血液検査で疑いがあるのか知ることができます。採血の項目は、BNPあるいはNT-proBNPというものです。心不全が疑わしい場合にはこのBNPという数値が上昇し
ます。高血圧や糖尿病、腎臓病、脂質異常症のある方や、心臓の病気を言われている方で、「少し歩いただけで息切れがする」「重い荷物を持って歩けなくなった」な
ど、普通にできていたことが大変になったとか、「むくみ」がある場合には、是非かかりつけ医の先生に、BNPを測定してください!とお伝えください。
このBNPの数値が高い際には、循環器専門医による心不全の検査を行うことが、推奨されています。私は循環器専門医ですし、動悸・息切れ・足のむくみ外来を開設して
おりますので、是非ご相談ください。



