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代替塩って知ってる?その効果。 知って得する医学知識⑪
脳卒中患者における代替塩の効果を調べたものです。通常の食塩は100%NaCLですが、ここでの代替塩とは75%がNaCLで25%にKCLが含有している食塩のことです。日本でも「やさしお」など発売されています(広
告費はいただいていません)。脳卒中をしたことがある患者において、代替塩にすることで、その後の脳卒中の再発や死亡率が減るかどうかを調べています。中国北部の600の病院で脳卒中と診断された患者15249人を対
象にしました。参加者は、塩化ナトリウム75%、塩化カリウム25%からなる代替塩群と通常の食塩群と2群に分かれました。 およそ5年間の追跡を行いました。その結果、代替塩群では、通常の食塩群と比較して、脳卒
中再発のリスクが14%低下し、死亡のリスクが12%低下し、特に脳出血の発生率が30%減少しました。また、代替塩の使用により収縮期血圧が平均2.05 mmHg低下しました。高カリウム血症のリスク増加は見られませ
んでした。代替塩が脳卒中経験者の再発リスクと死亡リスクを低減する可能性が示された。減塩と同時にカリウム摂取を増やすことで、血圧が低下し、脳卒中の予防効果が得られたと考えられます。同じ量の塩を使用する
のであれば、この代替塩にしてみてはいかがでしょうか?私も最近買って使ってみています。
Salt Substitution and Recurrent Stroke and DeathA Randomized Clinical Trial Xiong Ding, MPH, et al JAMA Cardiol. 2025;10(4):343-350.
緑茶は1日2~3杯 コーヒー1日1杯がよい 知って得する医学知識⑩
緑茶とコーヒーの適度な摂取が認知症予防に有益であることを示す研究:JPHC佐久メンタルヘルス研究
認知症予防のために緑茶とコーヒの予防効果はいわれているますが、長期的な効果はまだはっきりしていませんでした。長野県の中年(44歳~66歳)1155人を20年間追跡し、認知機能の低下と緑茶コーヒの摂取量との関係を調べました。
結果:緑茶を毎日2~3杯飲むひとは、認知機能の低下の危険性を44%減少させました。4杯以上では効果は認めませんでした。コーヒーについては、やや高齢の中年(追跡開始時53歳以上)の方で、毎日1杯以上で認知機能の低下の危険性を46%減少させました。
緑茶やコーヒーがよいことは様々なところで報告されています。認知症予防のため、中年になった私たちは、緑茶3杯、コーヒー1杯を毎日飲み始めましょう!ただ、たくさん飲んでも効果は減少するので、ほどほどにしましょう。個人的には、ジャスミン茶とルイボスティーが好きなので、これの効果を検証してもらいたいです。
Akihiro Koreki, Shoko Nozaki et al. Journal of Alzheimer’s Disease 2025, Vol. 103(2) 519–527: A longitudinal cohort study demonstrating the beneficial effect of moderate consumption of green tea and coffee on the prevention of dementia: The JPHC Saku Mental Health Study
緑茶とコーヒーの摂取量と認知症.pdf (0.56MB)
運動するなら一日のうち、いつがいい?知って得する医学知識⑨
米国からの報告です。着用する加速度計を用いて、身体活動と睡眠の日内パターン別の死亡率を調べてみました。米国の9342人を解析しています。身体活動のパターンを早朝型、正午型、午後遅く型の3つに分けて、睡眠パターンを朝型、夜型、不規則型に分けました。
図は身体活動をみています。早朝型は8時~9時に身体活動が多い、その後減ってくる。正午型は11時から17時まで身体活動が多い。午後遅く型17時から19時に身体活動が多い。という結果です。
結果です。早朝に身体活動の多い人あるいは、睡眠が不規則な人は死亡率が高いことがわかりました。また早朝に身体活動が多いかつ、不規則な睡眠の人はより死亡率が高いことがわかりました。不規則な睡眠は体に悪そうなのはイメージつきますよね。早朝の運動は、血圧が上がりやすく注意が必要かもしれません。ご参考までに。
Diurnal patterns of accelerometer-measured physical activity and sleep and risk of all-cause mortality: a follow-up of the National Health and Nutrition Examination Surveys (NHANES).
Zhang et al. International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity (2024) 21:120
身体活動と睡眠のパターン.pdf (2.8MB)
日本クリニカルパス学会学術集会で座長&発表をしてきました
時岡浩二医師のインタビュー記事が掲載されました
時岡浩二医師が現在も勤務されている岡山市民病院で、インタビューされた記事が掲載されました。バイエルメディカルニュースで、心不全を早期に発見するために糖尿病内科と協働し、効果を示し始めています。ご一読ください。
https://pharma-navi.bayer.jp/support/community-care/medical-news/202409_01
BMN_Okayama_0806-1.pdf (1.29MB)