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禁煙治療・禁煙外来について
Q禁煙したいと思ってるんだけど、どうしたらいい?
まずは当院にお電話ください
Q禁煙治療って保険使えるんですか?
一定の条件を満たした喫煙者なら、どなたでも保険診療で治療を受けれます。
Q一定の条件ってなんですか?
ニコチン依存状態であること。10の質問で5問以上当てはまる方。
TDS.pdf (0.08MB)
35歳未満の方は上記があれば、保険適応です。
35歳以上の方は、上記に加え、1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上です。(例:1日20本を20年吸っている方は20×20=400→適応)
Qどんな治療するの?
Q費用はどれくらいかかるの?
貼り薬のニコチンパッチで治療した場合 3割負担の方で約15000円程(計5回総額)
飲み薬のバレニクリン(チャンピックス)で治療した場合 3割負担の方で約20000円程(計5回総額)
診察料と薬剤料含めていますが、患者様の状態などにより金額はかわりますのでご注意ください。
Q禁煙の薬ってどんなくすり?
禁煙のための補助薬であるニコチンパッチ、ニコチンガムまたはバレニクリン(チャンピックス)が使えます。これらのお薬は、禁煙後の離脱症状をおさえ、禁煙を助けてくれます。バレニクリン(チャンピックス)は喫煙による満足感をおさえます。ニコチンパッチ、ニコチンガムを使うと禁煙の成功率が各々約1.7倍、1.4倍、バレニクリン(チャンピックス)を使うと、約2.3倍高まります。
禁煙治療薬チャンピックスが使用可能になりました たばこについて
禁煙治療薬である、チャンピックスが2025年10月30日から使用できるようになりました。禁煙をはじめるなら今がチャンスです!当院では、日本禁煙学会認定指導医(http://www.kinen-map.jp/hoken/nintei.php#33)が在籍しておりますので、安心してご相談ください。
Q 日本の喫煙率って今どれくらいですか?
厚生労働省の調査では平成元年1989年では全体の喫煙率は30% 男性50%(女性10%)でした。令和5年では、全体の喫煙率は15% 男性25% 女性6%です。喫煙率については、だんだんと減少していることが報告されています。
Q たばこは何が体に悪いのですか?
たばこはもちろん有害物質が含まれており、発癌性が確認されています。発癌物質は70種類以上入っています。有害物質は200種類以上入っています。有害物質には、発癌物質である、ニトロソアミン、ベンゼン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、血栓症を引き起こす、一酸化炭素。ニコチンは、依存性がでるだけではなく、交感神経の亢進が起こり、動脈硬化の促進させてしまいます。
Q たばこって依存性があるですか?
たばこに含まれるニコチンは、依存症を誘発する力が非常に強いことが報告されています。依存症になるランキングというのが報告されているのですが、依存度が高い順に1位がヘロイン、2位がコカイン、3位がたばこ、4位アルコール、5位覚せい剤、6位大麻となっています。なんだか、怖い覚せい剤や大麻より依存度は高いですね。逆を言えば、依存度が高いので、やめるのがなかなか難しいです。禁煙補助薬などを使用せずに、自力で禁煙をしようとした場合、禁煙成功率は6か月で5%、1年で4%と報告されています。今話題の消費税より少ないですね。つまり、たばこをやめるといって、やめることができないのは、けっして、本人の禁煙への意志が弱いのではなく、依存症で苦しんでいることを周りの方は理解してあげてほしいです。また喫煙者の60%はたばこをやめようかなーとか、やめたいと思っています。あとでお話ししますが、是非禁煙外来にお誘いください。
Q たばこを吸うことによって危険性が増える病気は?
日本人では喫煙により男性で8年、女性は10年で寿命が短縮します。たばこを吸っていることで危険性があがると報告されている疾患は、良く知られているのは、肺癌だと思います。ただ、肺癌だけではありません。膵癌 子宮頸癌 食道癌 胃癌 肝臓癌 胆管癌 舌癌 咽頭癌 心筋梗塞 腹部大動脈瘤 心不全 高血圧 脳梗塞 クモ膜下出血 肺気腫 気管支喘息 糖尿病 慢性腎臓病 認知症 うつ病 齲歯(虫歯)で喫煙により危険性が上昇することが報告されています。妊婦では、低出生体重児、早産、子宮外妊娠 乳幼児突然死、発達障害など、様々な疾患に関して、発症する危険性がたばこを吸うことにより高くなります。
Q 受動喫煙ってなに?
受動喫煙とは、他の人が吸ったたばこの煙を吸ってしまうことを指します。受動喫煙者は、全死亡のリスクが20%増加することが報告されています(心臓病、脳卒中、癌が増える)。つまり、自分はたばこを吸っていないのに、周りが吸うことによって、自分の死亡の危険性が高くなるということです。このことは是非避けなければならない現実です。受動喫煙防止条例や改正健康増進法により、原則屋内禁煙になりました。たばこを吸っている近くには可能ならば避けるのがいいのかもしれません。
Q アイコスなどの加熱式たばこは体への害が少ないのですか?
加熱式たばこは、ニコチンなどを含んだエアロゾルを発生させる。アイコス、グロー、プルームテックなどの商品があります。ニコチン量は、紙巻きたばこと同様に入っているので、依存症が維持されると同時に、動脈硬化は同じように引き起こす可能性が高い。発癌物質であるタールも加熱式たばこに入っているものがあります。たしかに有害物質の含有量は紙巻きたばこより加熱式が少ないと報告されています、しかしながら、それが病気になるリスクを下げることの証明には至っていません。今日はそのリスクについてお話します。たしかに、癌の発症する危険性については、紙巻きたばこより少ないと報告もあります。(発癌リスクは紙巻きたばこ10万あたり2400>加熱式たばこ10万あたり57人)ただ動脈硬化性疾患、つまりは心筋梗塞、脳梗塞のリスクは紙巻きたばこと加熱式たばこはかわらないと報告されています。また紙巻きたばこに含まれていない有害物質も、加熱式たばこに含まれており(シアノヒドリンはアイコス特有の物質であり、青酸に変化する)、人体への影響が懸念されています。 加熱式たばこも人体に悪いですが、まだまだ長期の結果がでていないので、どれほど悪いのかは経過をみていかないといけないでしょう。
Q 禁煙したら何がいいことがあるのですか?
脳卒中は禁煙後2年で発症率が急速に減少し、5年以内に非喫煙者と同じになる。禁煙により5年で心血管疾患による死亡のリスクは低下し、10年で非喫煙者と同等になる。肺癌のリスクは禁煙後10年で30~50%まで低下する。肺気腫は禁煙により進行を抑制できる。女性では顔色、肌つやがよくなる、表情がよくなる。たばこを買わなくてよくなるので(1日1箱500円)、年間18万円お得。食事がおいしくなる。禁煙すると体重が増えるとか言われますが、禁煙後の体重増加は平均1.6kg程度です。
Q 禁煙への関心を高める方法ってありますか?
禁煙への関心を高め動機を強化する方法
Relevance関連性 たばこと自分の健康への不安とか、家族への影響、社会的な立場的にやめた方がいいかもしれないとか。
Risksリスク 喫煙によるマイナスの面をどうとらえるか聞かないといけない。いろんな病気になることを説明しないといけない
Rewards報酬 禁煙したらどのような利点があるか話す。貯蓄がふえる、きれいになる、健康になる
Roadblocks障害 禁煙の障害にあるものをたずねる。職場環境、体重増加、離脱症状
Repetition反復 患者が来院するごとに繰り返し行う。一度失敗しても再度行えば成功できる可能性は十分にある。
上記のことを繰り返しお話することで、禁煙に興味を持っていただけるかもしれません。
Q 保険診療で禁煙ができるって聞いたのですけど
・ニコチン依存症に係るスクリーニングテストで10項目中5項目以上該当すると陽性となり、依存症と診断され、保険診療となります。例えば、タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたかなど。
・35歳以上のものはブリンクマン指数(1日のたばこ本数×喫煙年数)が200以上で保険診療となります。
・35歳未満はブリンクマン指数によらず、禁煙治療が保険で開始できます。
現在は、治療法はニコチンガム、ニコチンパッチ(貼り薬)、バレニクリン(商品名:チャンピックス のみ薬)があります。ご相談ください。禁煙の成功率は7割くらいです。ただニコチン依存症は再発も多いので、注意が必要です。
当院では日本禁煙学会認定指導医が在籍しております。安心してご相談ください。
知って得する医学知識⑱ 下肢静脈瘤について
下肢静脈瘤とは?
足の血管がぼこぼこする病気です。正常な静脈は、血液を心臓に戻す役割をしており、足から心臓に向かって流れます。そして、足の方に血液が戻ってしまうのを防ぐために弁が備わっています。下肢静脈瘤は、この弁が壊れることで足に血液が逆流してしまい、足に血液がたまることにより、足のだるさやこむら返り、血管がふくれてこぶのようになる病気です。
どんな人が下肢静脈瘤になりやすいの?
40歳以上の8.6%にこの下肢静脈瘤はあるといわれいます。高齢の患者さんの方が多いとされています。男性に比べて女性が3倍程多いと報告されています。立ち仕事の多い職業(クリーニング業、美容師、理容師、調理師、飲食業など)の方に多く発症することが報告されています。また妊娠・出産を経験された女性に多く発症することが報告されています。遺伝も報告されていて、両親ともに静脈瘤がある場合には、90%に子が発症するといわれいます。親1人に静脈瘤がある場合は、娘さんは60%に静脈瘤が発症することが報告されています。
どんな症状があるの?
まずは、見た目からですが、足の血管がぼこぼこします。 症状として一番多いのは、足のだるさです。ずっと立っていたりすると、足がだるくなります。その他、こむらがえり、下肢のむくみ、痒みがでます。ひどくなってくると、色素沈着といって、足首の少し上が赤茶色になったりします。さらに病気が進行すると、潰瘍といて足の皮膚に傷ができて治りにくくなったりします。また下肢静脈瘤があると、足の静脈に血栓ができやすい(正常の方と比較して3倍のリスク)ので、足の痛みや熱感、腫れがでたときには要注意です。
どんな検査で調べるのですか?
下肢静脈瘤の検査では、超音波検査(エコー検査)が中心になります。足にエコーをあてて、血管を調べます。正式名称は下肢静脈超音波検査です。この検査で、足の表在の静脈が拡張していたり、逆流している場合には、下肢静脈瘤と診断します。
下肢静脈瘤と診断されました。いい薬はありますか?
下肢静脈瘤自体を治すような飲み薬の治療法はありません。下肢の症状(むくみ、こむらがえり、痛み、かゆみ)を改善させる内服薬や塗布剤(塗り薬)はありますが、静脈瘤自体を治すわけではなく、症状の改善が目的で、根本的な治療薬はありません。
ではどうやって治療するのですか?
まずは、弾性ストッキング(足を圧迫するための医療用ストッキング)を用いることで症状の改善をおこないます。足を締めつけて、ふくらはぎの筋ポンプ作用によって静脈還流をうながし、足に血液がたまるのを防ぎます。このストッキングを日中活動時にはくことで症状の改善を促します。それでも症状がのこる場合には、侵襲的な治療になります。基本的に、治療のコンセプトは、壊れた静脈を使わないようにすることです。大切な血管はもっと足の内側にありますので大丈夫ですから、壊れた不要な静脈瘤の血管をどうにか使えないようにします。最近では、2種類あります。ひとつめは、血管内焼灼術です。細い管(カテーテル)を病気になった静脈の中に入れて、内側から熱を加えて焼きます。焼いた静脈は、血流がなくなり、治療後半年ぐらいで吸収されてなくなります。高周波電流などを使って焼きます。
カテーテルを静脈内に挿入。
血管内(静脈瘤内)を超音波(エコー)で確認しながら、焼きます。
高周波焼灼治療器
もうひとつは、血管内塞栓術です。これは、細い管を病気になった静脈の中に入れて、そこから接着剤ををいれます。これで、病気になった静脈を閉塞させます。これは、痛みの少ない治療になります。この2つの治療法は再発が5%未満と効果は高い治療法になっています。その他、静脈瘤が軽い場合ですと、硬化療法といってこわれた静脈に薬(ポリドカスクレロール)を注射して固める方法もあります。このような侵襲的な治療は、患者さんの病気の具合によって最適な方法を相談の上、決定します。
以上、足の血管がぼこぼこしている!場合は是非ご相談ください。
当院では、下肢静脈瘤の診断治療はもちろん、足の悩みに対して幅広く対応できます。
お気軽に相談してください。
知って得する医学知識⑰ 高血圧について
都市伝説
・血圧は少し高いくらいが元気がでる。低いとしんどい。
・血圧の薬ははじめると辞めることができない。
このような話があるかと思います。間違いではありますが、間違っていない部分もあるので注意が必要です。ひとつずつご説明します。血圧は高いとどうなるでしょうか?ほとんどの方は血圧があがっていても症状はでません。収縮期血圧(上の血圧)が180㎜Hg以上にならないと頭痛やほてりなどの症状はあまりでてきません。なので、血圧が少々高くてもなんともないわけです。ただ統計ではどうでしょうか?下の図を見てください。年代別の血圧120/80未満の人に比べて、何倍、脳心血管疾患(脳卒中、心筋梗塞)で死亡する危険性が高くなるか、それぞれの血圧値の幅で報告されています。
その結果、血圧が高い人ほど、脳卒中(脳梗塞、脳出血)、心筋梗塞で死亡する危険性が高くなることが7万人の日本人データで報告されています。同様に、認知症については、血圧160の人は120の人と比べると10倍認知症(血管性)の発症危険性が高いことが報告されています。ここで注意が必要なのは、高齢者の場合に、収縮期血圧120未満になるとふらつきなどの低血圧症状がでることがあることです。以上より適正な血圧は以下のように推奨されています。収縮期血圧130未満、拡張期血圧80未満を目指しましょうと定められています。ただ心配性の方は、これ以上の数値がでてしまったときにどうしようとか、何度も測定したりしまうこともあろうかと思います。雨の日があるように、血圧が高い日もあります。平均してどのくらいになるのかを目安にしてください。またはかりなおしても、不安ですから血圧は上がってしまいます。いったん血圧計からは離れて時間を置いて(1時間)再測定するようにしましょう。そして、介助が必要な方や、寝たきりの方の血圧については、下げすぎるとよくないといわれています。介助が必要な方は、140くらいなら、まあOKと考えてください。次に血圧の薬ははじめると辞めれない。これは難しい問題ですね。血圧の年代別の平均数値をみてみると、30歳台の収縮期血圧の平均は120弱ですが、70歳代の収縮期血圧は140程度と報告されています。これからわかるように、年齢を重ねるだけで血圧は自然に上昇するのです。つまりは加齢による血圧の上昇に打ち勝つ、血圧を下げる努力をしなければ、薬を辞めるに至るのは難しいということです。ではどのように薬以外で血圧を下げれるでしょうか?その方法は、①1日の塩分摂取量を12gから6gに半減させると収縮期血圧は6.8下がります。②カリウム摂取量を1日3900mgにすると、血圧4.2下がります。③体重を1㎏減らすごとに血圧1.1下がります。④毎日40分以上ややきつい歩行を行うと、血圧5下がります。以上報告されています。結構いろいろなことしても、血圧って下がりにくいんだなーと思ったりすることもあります。血圧の薬を辞めれる道もありますので、少しずつ実践してみましょう。ただ腎機能障害の方、糖尿病のある方、脳心血管疾患のある方などは、注意点が異なったりしますので、当院までご相談ください。
詳しくはこちら→
高血圧勉強.pdf (1.19MB)
参考引用文献:日本高血圧学会 高血圧治療管理ガイドライン2025
足梗塞!?下肢閉塞性動脈疾患って何? 知って得する医学知識⑯
足の血管が詰まる下肢閉塞性動脈疾患についてです。どんな病気ですか?
脳の血管が詰まることを脳梗塞といいます。心臓の血管がつまることを心筋梗塞といいます。足に、向かう血管が詰まることを足梗塞といいたいところですが、病気の名称は、下肢閉塞性動脈疾患
といいます。足の血管が動脈硬化により血管(動脈)が狭くなったり、詰まったりする病気です。足への血流が悪くなることで、足に栄養や酸素を十分に送ることができなくなるため、歩いていたら足が
痛くなったり、非常に悪くなると足を切断しないといけなくなることがある病気です。
下肢閉塞性動脈疾患の原因はなんですか?どんな人に起こりやすいのですか?
原因は下肢動脈の動脈硬化です。動脈硬化とは、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や喫煙習慣によって引き起こされる血管の変化です。血管にコレステロールなどがこびりつくこ
とで、血管が狭くなります。このため、たばこを吸う人、糖尿病・脂質異常症・高血圧症をお持ちの方ほど、起こりやすい病気と言えます。タバコを吸い続けているうちにだんだんと血管の動脈硬化が
進んでゆき,何年もたってから発症することになります.しかも,一度進んだ動脈硬化は元には戻りませんし、動脈硬化は全身同時に進行するため、心筋梗塞・脳梗塞などを合併しやすい病気に
なります。つまりは、この病気を見つけたときには、脳梗塞や心筋梗塞になっていないかもよく調べないといけない病気です。
下肢閉塞性動脈疾患はどんな症状がでるんですか?
下肢閉塞性動脈疾患の症状は,下肢への血流が滞ることによっておこります。症状は大きく4段階あります。
1段階目は、足の冷たい感じがする冷感やしびれです。
2段階目は、歩くと脚(特にふくらはぎ)が痛くなって歩けなくなるが,しばらく休憩するとまた歩けるようになる間歇性跛行という症状です。歩いている時など血流が欲しい時に血流が流れにくいの
で、十分に血液が行きわたらず痛みがでます。
3段階目は、じっとしていても足が痛み、夜も眠れなくなったりするなどする、安静時疼痛です。
4段階目は、傷をなおすだけの血流が送れなくなり、足に傷ができてしまうと、それが治らなくなってしまい潰瘍を作ったり、さらに進むと足が黒く壊死することがあります。
下肢閉塞性動脈疾患はどのように診断しますか?
簡便に調べることができる検査があります。ABI検査です。両足首と両腕に血圧計を全部で4つつけて、同時に血圧を測り,腕の血圧に比べて足の血圧がどの程度かを調べる検査です。検査は5
分くらいでおわります。血圧はかるだけなので怖くない検査です。正常は1.0以上です。1.0未満の場合は下肢閉塞性動脈疾患が疑われるので、更なる検査に進みます。足先の血流を調べる検
査としては、SPP検査があります。指の冷えなどがあったときに、足先まで血流が十分きているか調べることができる検査です。ABI検査は診療所で置いていることも多いですが、SPPを測定
できる医療機関は限られています。当院では測定可能です。そして更なる検査としては、画像診断検査になります。血管がどれだけ狭くなっているのか、どこが狭くなったり詰まっているのかわかりま
す。主な検査としては、CT検査、超音波検査、MRI検査があります。病状によりこの検査は使い分けます。これらを駆使して、診断をおこないます。
治療は何がありますか?
① 運動療法
歩くことです。1回30分程度、最低でも週に3回程度は運動を行うことが好ましいです。これにより、症状の改善が期待できます。
② 生活習慣の是正
この病気は、たばこと密接に関係しているので、禁煙することが病気の進行抑制に非常に大事です。当院では禁煙外来を行っていますので、どしどしたばこをやめに来てください。また高血圧、糖尿
病、脂質異常症については、しっかり治療することで進行抑制になります。また血をさらさらにする薬(抗血小板剤)を内服することで、症状の改善や進行抑制になります。
③ カテーテル治療
細い管であるカテーテルを詰まっている足の血管まで到達させて、血管をバルーン(風船)でふくらましたり、ステントという金属の網目状の筒をいれて、血管をひろげる治療です。3から4日ほどの入院
が必要になります。
④ バイパス手術
血管が狭くなっているところや詰まっているところの先に、自分の血管(足の静脈)や人工血管をつなぎ合わせる手術です。非常に長く血管が詰まってしまっている場合や、病気が重篤な場合にはこ
の治療が選択されます。
最後に皆さんお伝えしたいこと
普段から足のことを気にしてあげてください。足の冷えやしびれ、歩いていて足やふくらはぎなどに痛みを感じたら、お医者にいってABI検査してください!と言ってみましょう。そして足や爪に異変を
感じたら、みてもらうようにしましょう。当院では保険診療でもフットケアを行っています。最近足の爪切りする姿勢しんどくなってきた。自分ではきれいにできない。1回私の巻き爪みてーなど、なんでも
ご相談ください。



