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知って得する医学知識④ ショートスリーパーは週末の寝だめがよい!
最適な睡眠時間は何時間でしょうか?7時間ほどがよいと言われております。最近では多すぎても少なすぎても、死亡率が上昇することが報告されています。また以前から寝だめは意味がないと言われてきましたが、最近の研究ではそうとも言えないようです。今回ご案内する論文は、中国の南京医科大学の研究グループから報告されており、20歳以上の3400例を対象として、週末の寝だめと心血管疾患の関連を検討しています。その結果、平日平均6時間未満の睡眠時間の方で、週末に平日より2時間以上多く寝だめを行うと、心血管疾患(脳卒中、心筋梗塞、心不全)のリスクが低下したと報告されています。
この結果でいえることは、平日睡眠時間が6時間未満で週末寝だめしていない方と、週末寝だめした方を比較した場合に、寝だめした人の方が心血管疾患のリスクが低下したということです。決して睡眠時間が平日6時間未満でもよいということではありません。さらに言えば、平日6時間以上寝ている方は週末寝だめをしても心血管疾患のリスクは低下しません。一番良いのは平日でもしっかり寝る(7時間程)ということですね。平日睡眠時間がとれないよーとう人は、週末に2時間多く睡眠時間を確保できるといいですね!
引用文献:Zhu H, et al.Sleep Health.2023 Nov 23.
知って得する医学知識③ 1日何歩が長寿なの?
1日1万歩を目指しましょう!なんてよく聞きますよね。ほんとにそれでいいの?1万歩歩いたら本当にいいの?よくわからない。そんな疑問に答えるような論文がオランダから報告されています。12の研究をまとめて、11万人の成人のデータから歩数と死亡、心血管疾患(心筋梗塞ないしは脳卒中)の発症について関連を調べています。グラフをみてみましょう。
死亡の危険性が減る至適な1日の歩数は8763歩(左グラフ)。心筋梗塞や脳卒中の危険性が減る至適な1日歩数は7126歩(右グラフ)になっています。あながち1日1万歩というのはそんなに間違っていなかったですね。また至適歩数を大幅に超えていっても、そんなに死亡や脳血管疾患の危険性が下がるわけではないといった結果です。
そんなに歩けないわよ。家の中を動き回るくらいしかしてないわよ。といった方にも、目標をもってもらうためのデータとして、1日2000歩に比べて、2600歩で死亡のリスクは低下し、2800歩で心血管疾患のリスクは低下することが報告されています。まずは3000歩を目指してみませんか!以上より、動ける人は1日8800歩以上を目指しましょう!あんまり動けないわ!って方もなんとか3000歩を目標に動いてみてはどうでしょうか?
知って得する医学知識① 心不全って採血でわかる!?
心不全ってどんな病気ですか?
心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。最近階段をあがると息切れがする、少し前まですいすいあがれていたのに…。同世代の人の歩くペースに息切れがあしてついていけない。歳のせいかな?心不全なのかな?調べてみたいけどどうしよう。その時に良い方法があります。採血検査が行えるクリニックや病院ではどこでも測定できる。BNPないしはNT-proBNPです。どちらを測定いただいても構いません。このBNPが35以上、NT-proBNPが125以上の場合には、心不全の可能性があるので、詳しく心臓を調べましょうと心不全学会で推奨されています。一度お近くの診療所で測定いただき、この数値が高い場合には、心臓エコー検査などの精査を行うようにしましょう。当院では、BNP、NT-proBNPの測定はもちろん、心不全の診断、治療まで行うことができます。受診をした方が良い方:最近息切れや動悸がする、むくみがでる。BNP≧35、NT-proBNP≧125だった。このような方は、当院までご相談ください。
心不全について比較的わかりやすく解説しているサイト:https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/heart-failure/about/
