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2025-10-22 21:10:00

下肢静脈瘤とは?

足の血管がぼこぼこする病気です。正常な静脈は、血液を心臓に戻す役割をしており、足から心臓に向かって流れます。そして、足の方に血液が戻ってしまうのを防ぐために弁が備わっています。下肢静脈瘤は、この弁が壊れることで足に血液が逆流してしまい、足に血液がたまることにより、足のだるさやこむら返り、血管がふくれてこぶのようになる病気です。

 

 

 

 どんな人が下肢静脈瘤になりやすいの?

40歳以上の8.6%にこの下肢静脈瘤はあるといわれいます。高齢の患者さんの方が多いとされています。男性に比べて女性が3倍程多いと報告されています。立ち仕事の多い職業(クリーニング業、美容師、理容師、調理師、飲食業など)の方に多く発症することが報告されています。また妊娠・出産を経験された女性に多く発症することが報告されています。遺伝も報告されていて、両親ともに静脈瘤がある場合には、90%に子が発症するといわれいます。親1人に静脈瘤がある場合は、娘さんは60%に静脈瘤が発症することが報告されています。

どんな症状があるの?
まずは、見た目からですが、足の血管がぼこぼこします。 症状として一番多いのは、足のだるさです。ずっと立っていたりすると、足がだるくなります。その他、こむらがえり、下肢のむくみ、痒みがでます。ひどくなってくると、色素沈着といって、足首の少し上が赤茶色になったりします。さらに病気が進行すると、潰瘍といて足の皮膚に傷ができて治りにくくなったりします。また下肢静脈瘤があると、足の静脈に血栓ができやすい(正常の方と比較して3倍のリスク)ので、足の痛みや熱感、腫れがでたときには要注意です。

どんな検査で調べるのですか?

下肢静脈瘤の検査では、超音波検査(エコー検査)が中心になります。足にエコーをあてて、血管を調べます。正式名称は下肢静脈超音波検査です。この検査で、足の表在の静脈が拡張していたり、逆流している場合には、下肢静脈瘤と診断します。

 

 

下肢静脈瘤と診断されました。いい薬はありますか? 

下肢静脈瘤自体を治すような飲み薬の治療法はありません。下肢の症状(むくみ、こむらがえり、痛み、かゆみ)を改善させる内服薬や塗布剤(塗り薬)はありますが、静脈瘤自体を治すわけではなく、症状の改善が目的で、根本的な治療薬はありません。 

ではどうやって治療するのですか?

まずは、弾性ストッキング(足を圧迫するための医療用ストッキング)を用いることで症状の改善をおこないます。足を締めつけて、ふくらはぎの筋ポンプ作用によって静脈還流をうながし、足に血液がたまるのを防ぎます。このストッキングを日中活動時にはくことで症状の改善を促します。それでも症状がのこる場合には、侵襲的な治療になります。基本的に、治療のコンセプトは、壊れた静脈を使わないようにすることです。大切な血管はもっと足の内側にありますので大丈夫ですから、壊れた不要な静脈瘤の血管をどうにか使えないようにします。最近では、2種類あります。ひとつめは、血管内焼灼術です。細い管(カテーテル)を病気になった静脈の中に入れて、内側から熱を加えて焼きます。焼いた静脈は、血流がなくなり、治療後半年ぐらいで吸収されてなくなります。高周波電流などを使って焼きます。 

 

カテーテルを静脈内に挿入。

 

血管内(静脈瘤内)を超音波(エコー)で確認しながら、焼きます。


     
高周波焼灼治療器

  

もうひとつは、血管内塞栓術です。これは、細い管を病気になった静脈の中に入れて、そこから接着剤ををいれます。これで、病気になった静脈を閉塞させます。これは、痛みの少ない治療になります。この2つの治療法は再発が5%未満と効果は高い治療法になっています。その他、静脈瘤が軽い場合ですと、硬化療法といってこわれた静脈に薬(ポリドカスクレロール)を注射して固める方法もあります。このような侵襲的な治療は、患者さんの病気の具合によって最適な方法を相談の上、決定します。

 

以上、足の血管がぼこぼこしている!場合は是非ご相談ください。 

当院では、下肢静脈瘤の診断治療はもちろん、足の悩みに対して幅広く対応できます。

お気軽に相談してください。
 

 

 

 

 

 

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