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高血圧といわれたら 知って得する医学知識㉔
高血圧っていうのはどのような病気ですか?
全身の動脈がかたくなってきて、やわらかさを失い、血管の抵抗値が高くなり、流れが悪くなり、血液を流すのに圧力が必要になる病態が高血圧です。
高血圧の原因って何でしょうか?
生活習慣 塩分の摂りすぎ、肥満、運動不足、喫煙、過度の飲酒、ストレスなどが関係しています。腎臓病や糖尿病、内分泌の病気、ホルモンの分泌異常、睡眠時無呼吸症候群などが関係しています。年齢と
ともに血管の弾力性が低下し、血圧が上がります。70歳のひとと、30歳のひとを比べると、血圧は平均して20程高くなります。食塩摂取量が多いと、血圧は上昇します。血液中の塩分濃度が上昇すると、濃度を
調整しようと血流量が増えます。血流が増えると血圧が上昇します。日本人はまだ食塩摂取量は多く、平均9.8gです。ちなみに岡山は、10.8gで意外と多いです。糖尿病では動脈硬化、血管の弾性が失われ、
血圧が上昇します。腎臓病では、老廃物や塩分の尿への排泄が悪くなり、血液を増やすことで対処しようとしますが、それでは血流量が多くなるので、結果として血圧が上昇します。睡眠時無呼吸症候群では、呼
吸がとまってしまう病気なので、くるしくて、交感神経系が亢進して血圧が上昇してしまいます。
血圧ってどれくらいで高いと言われますか?
正常の血圧は130/80までです。治療開始の目安は140/90以上です。収縮期血圧は上の血圧140と拡張期血圧は下の血圧90です。
血圧が高いとどのようなことが起こりますか?
日本人の7万人のデータでみると、血圧が130/85以上になると、脳卒中(脳梗塞や脳出血)、心臓の血管が詰まる心筋梗塞の危険性が上昇します。160以上になると130程度な人に比べて、約5倍リスクがあり
ます。また認知症についても、血圧160以上の人は、120の人と比べて10倍認知症になりやすいです。また腎硬化症といって腎機能障害が起こりやすいと報告されています。血圧が高くても、のぼせたり、頭が痛く
なったりの血圧上昇の症状がでることは180以上など異常高値にならないとでてきません。症状がないからといって放置することはよくないことです。
血圧はどれくらいになっていればいいですか?
血圧の目標値が定められています。まずは収縮期血圧130未満、拡張期血圧80未満を目指しましょう。正常化を目指すなら、125/75未満にしましょう。
血圧って、家で測る?病院ではかる?
病院ではかったら、いつも血圧高いんや。病院の機械壊れているんやろか?それともうちの家の機械があかのか?よくいわれる言葉です。白衣高血圧というのがありまして、やはり病院にくると、緊張してしまうもので、
血圧は高くなりがちです。血圧の評価に最も大事なのは、家庭での血圧です。家庭血圧を測定して、医師にみせるのが一番いい方法です。血圧手帳に記載するとか、最近ではスマホのアプリなんかもあります。1日
に2回、朝起きて朝食前のおしっこした後と、夜は入浴後1時間以上のちのふとんに入る前に測るようにしましょう。
血圧って高い方が調子がいいですけど、下がるとふらふらする?
これをいう方はおられます。先ほどもいったように、血圧は130/80未満がいいのですが、時に高齢者の方の中に、血圧120未満になったら、低血圧の症状が出る方がおられます。低血圧の症状とは、ふらふらする、
倦怠感がでる、めまいがするなどです。このような患者様の場合には、少し血圧を高めに設定しないといけないこともあり、医師との相談が必要になります。
血圧を下げるために生活でできることは?
食塩摂取量 12g/日→6g/日に減塩すると、血圧は収縮期で7、拡張期で4下がると報告されています。減塩では、醤油はかけるよりつける。食卓に調味料をおかない。味付けは、酢やかんきつ類を使用して塩
分減らそう。麺類は汁は残そう。みそ汁は具沢山にして、汁は少なめでなどを意識してみてください。また、野菜などのカリウムを多く摂取すると(K3000mg/日)、血圧は収縮期で4下がると報告されています。カリウ
ムには塩分の排出を促進してくれる作用があります。藻類 果実 かき アボガド バナナ 梅干し いちご さつまいも 納豆 ほうれんそう にら こまつな しそ サニーレタスに多く含まれています。また体重を1㎏の
減量とすると血圧1.1/0.9下がります。運動療法でも毎日行う(40分ややきつい)と、血圧5/3下がります。
血圧の薬ってはじめるとやめられないのではないでしょうか?
140/90を超えて、生活改善を行っても、高値が続くようなら、お薬の治療開始を検討します。内服治療を開始した後も、生活習慣の改善を行うと、血圧は下がります。その際に、血圧の薬を減量してみて、血圧
高値にならないことを確認します。最終的にお薬をやめても血圧高値にならなければ、お薬を終了することはできます。ただ、加齢により血圧は上昇傾向になりますので、それに打ち勝つ生活習慣改善を行う必要が
あるので、お薬終了を得ることが難しい場合も確かにあります。
高血圧治療について
高血圧の原因により、お薬の選択は異なります。ただ単に血圧を下げるだけでは不十分な病態もあります。またお薬の調整も必要になります。本当にご自身の病態にあった血圧の薬がでているかについては、血圧専
門の先生に相談されることをお勧めします。
知って得する医学知識⑰ 高血圧について
都市伝説
・血圧は少し高いくらいが元気がでる。低いとしんどい。
・血圧の薬ははじめると辞めることができない。
このような話があるかと思います。間違いではありますが、間違っていない部分もあるので注意が必要です。ひとつずつご説明します。血圧は高いとどうなるでしょうか?ほとんどの方は血圧があがっていても症状はでません。収縮期血圧(上の血圧)が180㎜Hg以上にならないと頭痛やほてりなどの症状はあまりでてきません。なので、血圧が少々高くてもなんともないわけです。ただ統計ではどうでしょうか?下の図を見てください。年代別の血圧120/80未満の人に比べて、何倍、脳心血管疾患(脳卒中、心筋梗塞)で死亡する危険性が高くなるか、それぞれの血圧値の幅で報告されています。
その結果、血圧が高い人ほど、脳卒中(脳梗塞、脳出血)、心筋梗塞で死亡する危険性が高くなることが7万人の日本人データで報告されています。同様に、認知症については、血圧160の人は120の人と比べると10倍認知症(血管性)の発症危険性が高いことが報告されています。ここで注意が必要なのは、高齢者の場合に、収縮期血圧120未満になるとふらつきなどの低血圧症状がでることがあることです。以上より適正な血圧は以下のように推奨されています。収縮期血圧130未満、拡張期血圧80未満を目指しましょうと定められています。ただ心配性の方は、これ以上の数値がでてしまったときにどうしようとか、何度も測定したりしまうこともあろうかと思います。雨の日があるように、血圧が高い日もあります。平均してどのくらいになるのかを目安にしてください。またはかりなおしても、不安ですから血圧は上がってしまいます。いったん血圧計からは離れて時間を置いて(1時間)再測定するようにしましょう。そして、介助が必要な方や、寝たきりの方の血圧については、下げすぎるとよくないといわれています。介助が必要な方は、140くらいなら、まあOKと考えてください。次に血圧の薬ははじめると辞めれない。これは難しい問題ですね。血圧の年代別の平均数値をみてみると、30歳台の収縮期血圧の平均は120弱ですが、70歳代の収縮期血圧は140程度と報告されています。これからわかるように、年齢を重ねるだけで血圧は自然に上昇するのです。つまりは加齢による血圧の上昇に打ち勝つ、血圧を下げる努力をしなければ、薬を辞めるに至るのは難しいということです。ではどのように薬以外で血圧を下げれるでしょうか?その方法は、①1日の塩分摂取量を12gから6gに半減させると収縮期血圧は6.8下がります。②カリウム摂取量を1日3900mgにすると、血圧4.2下がります。③体重を1㎏減らすごとに血圧1.1下がります。④毎日40分以上ややきつい歩行を行うと、血圧5下がります。以上報告されています。結構いろいろなことしても、血圧って下がりにくいんだなーと思ったりすることもあります。血圧の薬を辞めれる道もありますので、少しずつ実践してみましょう。ただ腎機能障害の方、糖尿病のある方、脳心血管疾患のある方などは、注意点が異なったりしますので、当院までご相談ください。
詳しくはこちら→
高血圧勉強.pdf (1.19MB)
参考引用文献:日本高血圧学会 高血圧治療管理ガイドライン2025
代替塩って知ってる?その効果。 知って得する医学知識⑪
脳卒中患者における代替塩の効果を調べたものです。通常の食塩は100%NaCLですが、ここでの代替塩とは75%がNaCLで25%にKCLが含有している食塩のことです。日本でも「やさしお」など発売されています(広
告費はいただいていません)。脳卒中をしたことがある患者において、代替塩にすることで、その後の脳卒中の再発や死亡率が減るかどうかを調べています。中国北部の600の病院で脳卒中と診断された患者15249人を対
象にしました。参加者は、塩化ナトリウム75%、塩化カリウム25%からなる代替塩群と通常の食塩群と2群に分かれました。 およそ5年間の追跡を行いました。その結果、代替塩群では、通常の食塩群と比較して、脳卒
中再発のリスクが14%低下し、死亡のリスクが12%低下し、特に脳出血の発生率が30%減少しました。また、代替塩の使用により収縮期血圧が平均2.05 mmHg低下しました。高カリウム血症のリスク増加は見られませ
んでした。代替塩が脳卒中経験者の再発リスクと死亡リスクを低減する可能性が示された。減塩と同時にカリウム摂取を増やすことで、血圧が低下し、脳卒中の予防効果が得られたと考えられます。同じ量の塩を使用する
のであれば、この代替塩にしてみてはいかがでしょうか?私も最近買って使ってみています。
Salt Substitution and Recurrent Stroke and DeathA Randomized Clinical Trial Xiong Ding, MPH, et al JAMA Cardiol. 2025;10(4):343-350.


